娘とままごとをしていた。
料理人の娘にカツ丼を注文。
すぐ出されたカツ丼。
しかしそのカツ丼が入れられた容器は、
レジなどにあるお金を払うときに入れる時のトレイ。
なんとも不衛生な店に来てしまった。
架空の割り箸を割り、食べようとすると
取り上げられるカツ丼。
熱さを気にしてくれる過保護な料理人。
大丈夫だからと言って手を伸ばすも、
決して手を触れさせてくれない。
どれほどの熱さなのであろう、この不衛生なカツ丼は。
焦る娘の姿が楽しかったので、それでも貰おうとした。
激しい抗争に、時折床に落ちる丼。
もうすでに食べられたシロモノではない。
「冷やさねば熱い」ということで、
料理人は扇風機で冷やしはじめた。
すると、あれほど煮えたぎったままのカツ丼だったが
冷たくなったようだ。
脅威の冷却パワーを持つ扇風機。
「どうぞ」と言って差し出されたカツ丼を、
改めて架空の箸を割り、いただきました。